2016/03/20

気長に春を待ちましょう。

こんにちはタラスキンボンカースです。

ここのところ週末は雨の日が多かったのですが、この日はうす曇りですのでウォーキングに出かけることにしました。

隣町の『松崎町』から山を一つ越えて、さらに隣の『西伊豆町』まで行くおよそ20キロの行程です。

出発地点は海辺。
先ず、お昼ご飯にしましょう。

お昼ご飯は、近くの農協直売所で買ってきた手作りの『ちらし寿司』350円。

一つ一つの具材が丁寧に作られていて、とてもおいしい。
海岸から、うすら暗い山道をグイグイと登ってゆきます。

2時間ほど山道を登ったところで、十数軒ほどが寄り添った小さな集落が現れます。

暮らしの気配に少しホッとしたりもしますが、さらに山の中へ道は続きます。
だいぶ登ってきた。

険しい山肌に、異様な上り坂と急カーブで作られた道路。

怖くてガードレールに近づけない様子ですが、見晴らしは良い。
スギ林の中に、小さな頭(石)のお地蔵さんがありました。

近づいてみると、石碑には『弘法大師御旧跡↑』と、彫られている。
御旧跡はこちらです(↑)・・・と、指さし。

調べてみると、この辺りは、その昔(なななんと、西暦808年)、弘法大師(空海)によって開かれた霊場で、この石碑の先にある『富貴野山宝蔵院(ふきのやまほうぞういん)』という無人のお寺は、室町時代に末寺88か所を有するほどの大霊場として栄えていたのだそうです。

お寺の参道には、お参りに来た人々が、背中にしょって運んできたという石仏がたくさん並んでいたりします。
さて、峠をこえました。

山の反対側は、空気が変わる。

山というのは、峠を境に日当たりや風当りが変わるので、植生や空気の違いがよくわかります。

例えば南向きの山は、日の出とともに空気が山肌を伝って上昇し、日暮れとともに下降するので、毎日のように空気が入れ替わって植生も健やか。

植物が山肌を覆うと保水性が高くなり、さらに植生が豊に。

一方、北向きの山は、空気の流れが悪く、いつまでも湿った空気が停滞して植生が貧弱。

植生が貧弱だと、山肌を直に水が流れて土を削るので、土砂が次々に崩れる。

ここは、西向きの山で海に開けているので、温かな海風が優しく流れていました。
杉林の中に、ひときわ明るいゴールド色の花が咲いていました。

ミツマタの花です。
すごい金色。

ミツマタは、和紙の原料となる植物で、すべての枝が3つに分かれているので、ミツマタという。

冬の間、葉っぱもなくただ3つに分かれた枝が、その先で3つに分かれて、その先でまた3つに分かれて、その先でまた3つに・・・と、延々と3つに枝分かれしている、ただそれだけの地味な低木なのですが、その枝の先端に突如として弾けるように金色の花が咲く。

赤いのもある。
クロモジの新芽。

お茶菓子を食べるときについてくる、楊枝の材料がクロモジです。カリリと歯で噛むと、爽やかな香りが広がる。

クスノキやシナモン、ゲッケイジュなど、『クスノキ科』の植物は、たいてい爽やかな良い香りがする。
ヤマザクラ。

ヤマザクラは、白いのが多いけれど、たまに少しピンク色のモノもあります。

まだまだポカポカ陽気とはゆかず、一緒に咲く仲間がまだ少ないので、寂し気。
クヌギの梢。

ポカポカの春はまだもう少し先ですが、今か今かと待っているくらいが一番楽しい時なのかもしれません。

そんなことを考えてながら山を下ってゆくと、町に出ました。
そして再び海へ。

太陽がだいぶ傾いて、出発してから4時間ほどが経っていました。

ゆっくりゆっくり、春の到来を待ちましょう。