こんにちはタラスキンボンカースです。
私たちの暮らしている伊豆半島の先端には、
人の営みが築き上げた、美しい風景がたくさんあります。
美しい里山の風景も、多様な木々の森もです。
たとえばこの、美しい段々畑。
何段にも石積みで築き上げられた段々畑は、
きっと山の地形を利用してできたものなのでしょう。
段々の中には、野菜が育っていました。
通路としての斜面がなだらかに整備されており、
2メートル弱の段々は、小さな石で積み上げられています。
近づいてみました。
石積みの天端には土が盛られているようで、
全体的に草が茂って丸みを帯びています。
何年も何年も、繰り返し刈り込まれた様子。
アップ。
土が見えない程度まで、多様な草が密に生えていました。
それぞれの草の根や地下茎、蔓がこの石積みや表土を
がっちりと一体に固めている様子です。
これは、人の手が作った環境で、ものすごく長い年月を経て
形作られる地形です。
景観に対する見栄えや美しさを意識しているものではなく、
しかしながら、ものすごく美しい。
一方こちらは山。
「里山」と呼ばれるような、暮らしの周囲に広がる山も、
そのほとんどが人の手により出来上がった環境です。
地域の人々は、木々を刈り炭を焼き、落ち葉を集め土を作り。
昔からその繰り返しで、山が今の状態にあるということです。
炭焼きや薪用にかられた木々は、
その切り口からたくさんの芽を吹きます。
その切り口からたくさんの芽を吹きます。
これを『萌芽更新』といって、その木は15~20年後には
元の大きさに育つそうです。
ガスが普及した今では薪も必要でなくなり、
生活の利用のなめに木々を刈ることもなくなりました。
刈らない山は、木々が成長を続けて、暗い森になります。
そこで、健やかな森林を維持するために、
定期的に木々の伐採を行い、『萌芽更新』を促進します。
↑この山は、今『萌芽更新』の最中。
山の際。
山と暮らしの境界線という感じでしょうか。
草の部分は人が常に刈っていることろで、
その下には家や畑があります。
つまり、山の端っこ。
ここも山の端っこ。
人が常に刈っているところは、木がなくて草が生えている。
どことなく山の境界が始まって、そこから深い山が始まる。
こういうのも、暮らしの営みが作り上げた美しい環境です。
暮らしの営みが作った環境は、健やかである必要があって、
健やかであることが、美しい景観となるのです。
暮らしの営みが作った環境は、健やかである必要があって、
健やかであることが、美しい景観となるのです。
それは、作為的でない美しさです。